「部落解放研究」論文の投稿について

1. 本誌(『部落解放研究』)は、広島部落解放研究所が編集し刊行する研究紀要である。広島部落解放研究所は、1971年に設立された。以来53年、運動団体(解放同盟広島県連合会)と緊密な連携をとり、かつ、研究と実践の緊張を保ちつつ、旺盛な研究と教育・啓発の活動を行ってきた。「地対財特法」が失効して、国家・行政がその責務を放棄し、他方で、新自由主義と新右翼主義が吹き荒(すさ)ぶなか、差別の現実が厳しさを増している。運動と研究は、解放に向け、ますます重要な使命を帯びている。研究所は、今あらためて、そのレゾンデートルに立ち還る、そのような時代認識に立っている。本誌は、部落差別問題を中心として、日本および世界の人権と人間の問題について研究し、報告し、啓発することを目的とする。本誌はこれを理念とし、それを方針として投稿されたものを編集し、公刊する。

2. 本誌(『部落解放研究』)は、広島部落解放研究所所員による自由投稿と編集委員会が所員または非所員に依頼する論文・研究ノート・書評・報告、エッセ―、その他からなる。

(1)自由投稿を希望する人は、4月30日までに編集委員会に仮タイトルを添えて申し込むこととする。

(2)原稿の締め切りは9月30日(厳守)とする。

(3)自由投稿および編集委員会が依頼する研究論文・研究ノートについては、編集委員会が依頼する審査員が完全匿名の査読をおこない、編集委員会が掲載の可否を最終的に決定する。研究論文・研究ノート以外のものについては査読をおこなわない。

(4)投稿されたすべてのものについて、編集委員会が文章の訂正・加筆・削除を求めることがある。編集委員会の編集の理念・方針にそぐわないものについては、審査・掲載を拒否する。

3. 投稿の方法と宛先

(1)原稿は、Eメールに添付して編集委員会へ提出する。

(2)電子データの形式は、横書きで原則としてMS Wordファイルとする。手書き原稿やPDFファイルは受け付けない。

4. 論文原稿の提出方法は、以下の規程に従うこととする。

(1)原稿は、タイトル、本文、校注、参考文献、図表等一切を含めて20,000〜22,000字(スペースを含める)の範囲内とする。

(2)原稿には、英文タイトル、日本語要約(600文字)と英文要約(300単語)をつける。必要な場合は、編集委員会が英文要約のサポートをする。

(3)原稿には、3ワードのキーワードをつける。

(4)人名、地名等の固有名詞の公表が人権侵害の可能性がある場合は、仮名、または伏字での 表記を原則とする。
例:「当時のA氏はZ地区において」

(5)引用文は、「 」で括る。外国語論文からの引用は、邦訳文をつける。邦訳本がない場合は、執筆者が翻訳する。いずれも文章の後に(Marx=山田)等と翻訳者の名前を記載する。

(6)原稿は、書き下ろし原稿とする。原則として自著論文であっても既発表論文の全部または一部の剽窃、転載を禁じる。自著、論文からの引用であっても他者論文と同等に扱う。

5. 原稿とは:論文の体裁

原稿は完全原稿で提出する。それは、日本語タイトル、英語タイトル、執筆者氏名、日本語要約、日本語キーワード、本文、注、文献リスト、英文要約、英文キーワードの順序で構成する。

6. 原稿の書式・表記は、以下の規程に従うこととする。編集委員会でも書式・表記を統一する。

(1)原稿は横書きとする。

(2)英数字は、原則として半角とする。

(3)本文の章節の数字は、Ⅰ 1 (1) 1) ①‥のように表記する。

(4)注は、本文中の該当箇所の右肩に上付き文字で順に1) 2) 3)と番号をうち、注の説明文は本文の後にまとめて記載する。MS Wordの脚注機能は使用してはならない。

(5)文中の引用論文著者名は、初出時にフルネームで、それ以降は苗字のみで表記する(同じ苗字の異なる人名を表記する場合は、それ以降もフルネームで表記する)。日本語以外の人名は、初出時にはカタカナでフルネームを表記し、その直後に(フルネームの原語表記)を記載する、それ以降はそれぞれ家族名のみで表記する。

(6)日本語のローマ字表記が必要な場合は、長母音は Āā Ēē Īī Ōō Ūū を用い、イタリックで統一する(たとえば、Buraku Kaihōdōmei)。

(7)図表は、以下の規程に従うこととする。
①原則として1葉400字として換算する。
②通し番号をつけ、本文中に挿入するか、挿入箇所を明示する。

7. 参考文献の表記

(1)本文中への表記法

1)参照文献は、書籍、雑誌論文を問わず、本文中に[執筆者の姓、西暦発行年:引用⾴]、翻訳は、[執筆者の姓、西暦発行年=翻訳年:引用⾴]を示す。
例:[小森, 2001: 72-74][Spivak, 1988=1998:103]
同一著者が同一年に発表した複数の書籍は、発行年の後にa, b, cを付けて区別する。
例:[小森, 2001a: 72-74][小森, 2001b: 90-102]

2)複数の著者の文献注は半角のセミコロンで、同一著者の複数の著書の文献注は半角のコンマでつなぐ。
例:[山田編2008: 23-6; 内田:2006, 2008:56-90]

3)論文の初出の記載
論文の引用では初出の箇所に[小森2001a: 72-74]のように出所を記載する。

4)それら文献のタイトル等詳細は、以下の方法で文献リストに示さなければならない。

(2)書籍の記載方法

1)和文献・洋文献ともに、著者名、発行年、タイトル、出版社の所在地:出版社の順に記入する。

2)同一著者が同一年に発表した複数の書籍は、発行年の後にa, b, cを付けて区別する。

3)タイトルは、和文献は『 』でくくり、洋文献はイタリック体とする。

4)著者が外国人の場合、ファーストネーム、ファミリーネームの順に記す。

5)洋文献の場合、末尾に出版都市名を記す。

6)翻訳書籍の場合、末尾に翻訳者名、翻訳年、翻訳タイトル、翻訳出版社名を記す。

例:小森龍邦,2001a,『部落解放理論とは何か』, 部落解放同盟広島県連合会
小森龍邦,2001b,『宗教者と部落差別』, 明石書店

Andrew Hacker, 1992, Two Nations: Black and White, Separate, Hostile, Unequal, Robin Agency Inc., New York(=1994『アメリカの二つの国民』上坂昇訳 明石書店)

(3)論文の記載方法

1)和文献・洋文献ともに、著者名、出版年、タイトル、編者名、掲載書籍・雑誌名、巻号数、出版社、掲載頁(pp.)の順に記入する。

2)同一著者が同一年に発表した複数の論文は、発行年の後にa, b, cを付けて区別する。
タイトルは、和文献は「 」でくくり、洋文献は” “でくくる。

3)掲載書籍・雑誌名は、和文献は『 』でくくり、洋文献はイタリック体とする。

4)著者が外国人の場合、筆頭著者はファミリーネームから始める。

5)洋文献の場合、末尾に出版都市名を記す。

6)翻訳論文の場合、末尾に翻訳者名、翻訳年、翻訳タイトル、翻訳出版社名を記す。

例:丹野清人, 2001a,「雇用構造の変動と外国人労働者」梶田孝道編『国際化とアイデンティティ』ミネルヴァ書房 pp.225-258.

Antony Overschall, 1978,“Theories of Social Conflict,” in Annual Review of Sociology, 4 (2), Annual Reviews, pp. 291-315. New York.

(4)文献リストの作成の手順

1)参照文献は、和文献と洋文献をいっしょに、本文末尾の(校注)の後に(参照文献)として掲げる。記入事項は、以下の要領にて表示するものとする。編集委員会でも書式・表記を統一する。参考にしただけの文献は記載しない。

2)文献リストの順番の優先順位
①アルファベット順
②単著→単独編著→共著→共編書
③出版年 同一著者で同一出版年の場合は、出版年にa, b, c,を付けて区別する。
④著者名 外国人の場合も、筆頭著者は姓を最初にする。
⑤西暦発行年 同一著者が同一年に発表した複数の文献は、発行年の後にa, b, cを付けて区別する。
⑥タイトルが日本語場合、単行本は『 』、論文は「 」で括る。欧文の場合、単行本はイタリク体で表示し、論文は“ ”でくくる。
⑦掲載雑誌名 和雑誌は『  』で括り、洋雑誌名はイタリック体で表示する。
⑧出版社名 海外の出版社については所在地を表記する。
⑨掲載ページ 論文の場合のみ。

例:青木秀男, 2000,『現代日本の都市下層──寄せ場と野宿者と外国人労働者』明石書店
野入直美,2008,「在日コリアンの子どもたち──生活史調査に見る仲間形成」谷富夫編著『ライフヒストリーを学ぶ人のために』世界思想社, pp.220-245

Said, Edward,W., 1978, Orientalism, New York: Borchardt Inc(=1986,垣雄三・杉田英明・今沢紀子訳『オリエンタリズム』平凡社).板垣雄三・杉田英明・今沢紀子訳『オリエンタリズム』,平凡社).

Overschall, Antony,1978,“Theoriesof Social Conflict,” Annual Review of Sociology, Annual Reviews, vol.4, pp.291-315.

8. 校正・印刷・公表

(1)ゲラ校正は、投稿者と印刷所担当者が直接、PDFファイルにて2度おこなう。

(2)投稿者には、本誌2冊を進呈する。抜き刷りは希望者に実費でおこなう。希望者には、該当執筆論文をPDFファイルで配布する。

(3)論文は、広島部落解放研究所のホームページで公表する。

9. その他

(1)別紙に、⒈に掲げた投稿の種別、タイトル(日本語と英語)執筆者名(ふりがなを付ける)、所属、連絡先住所、Eメールアドレス、電話番号を記載し添付する。

(2)文章表現やデータの扱い方において、他人の個人情報や人権などの保護の倫理に十分に留意するものとする。

(3)本誌に掲載した論文・研究ノート・報告等すべてにつき、著作権は広島部落解放研究所が有する。

(4)また本誌掲載のものから引用等を行う時は、本誌編集委員会の了解を得るものとする。

(5)本投稿規程・執筆要項は2022年5月より施行する。